2014年11月18日火曜日

理系の子―高校生科学オリンピックの青春(2012)





 ジュディ ダットン (), Judy Dutton (原著), 横山 啓明 (翻訳)


●本屋で見かけてプラっと買ってみた本
母親に子ども預けて息抜きに数駅離れたところにあるデパートに出かけたときに立ち寄った本屋でたまたま見かけて買った本。
オビにこんなコメントが書いてあったけれど、帯はすぐに捨ててしまった。でもなんとなく覚えていて、今検索してみたら、HONZはなかなか面白そうな書評サイトだったのでいいなと思いました。元マイクロソフト社長の成毛さんのHONZという説明が必ずついてしまうのが、なんかもやもやするけれど、ま、いっか。さすが元マイクロソフトの社長さんだね。

アメリカで毎年開かれるインテル主催のサイエンスフェアに出場した少年少女12名のひらめき、発見とフェアに出場するまでのいきさつなどを著者が独自にインタビューして書き下ろしたもの。12名にはそれぞれのストーリーがあり、仮にフェアを抜きにしたとしてもその家族模様や彼ら個人の葛藤だけでも十分に読み応えがあると思う。非常におもしろかった。


●最初の1話が放射能に魅せられた少年の話
テイラー・ウィルソン
彼のHPこちら

ツイッターアカウントの紹介は、Teenage Nuclear Physicist, World’s youngest Fusioneer。彼がフォローしているのはたったの10にしかいないのに、その中にズーイ・デシャネルのアカウントがあった。ズーイはもはや文化系のアイドルだけにとどまらないのだわ!

●グランド・ジャンクション(GJ)が舞台の理系ストーリーがあった
「手袋ボーイ」ライアン
ライアンをサポートしてくれた先生が立ち上げた実験ラボミュージアム。
GJに行ったら絶対に立ち寄ってみよう。GJと言っても日本人にはまったくなじみのない地名だよね。私にとっては親戚が住む町なので、とても親近感があるので。コロラド州デンバーからひと山離れたところにある町で、10年以上前はかなり「田舎」っていうイメージだったけれど、Googlemapで見てみたらすっごい成長していてびっくりした。

●言語学が理系と結びついた話をもっと知りたい
カイラ twitter 
現在はパラリンピックの選手をサポートし研究する職についているようだ。

カイラの開発した音階とアルファベットを組み合わせて言葉を伝えるメソッド




●自分の子どもに顕微鏡をあげよう!とひらめいちゃったけど……それはダメ!
本を読み終えて、真っ先に思い立った! うちの坊ちゃんが小学生くらいになったら顕微鏡をプレゼントしよう、と。きっとそうすればいろんなものを観察して、ミクロの世界に興味を持ち、そこからサインエスフェアに出場しちゃったりするかも……なんてね。甘い、甘い。この話を旦那にしたら、「俺、顕微鏡持ってたけど、全然使わなかったなあ」って。えええええーー! 
そうかー、やっぱり親が与えてはいけないのね。子どもが自分で興味を持つように仕向けないとダメなんだね。いあ、難しい。


●アメリカのリテタシーカリキュラムのプログラムに遭遇
アメリカはリテラシー教育に力を入れている(と思う、少なくとも日本よりは)。アメリカの子どもたちの読み書き能力をサポートするために莫大な費用が注がれ、さまざまなアプローチの学習法が編み出されている。今回、私もこの本を読んだまとめとして、登場した12名の実際の姿を見てみたいと思ってそれをまとめようと思った。そしたら、なんと!!すでにあったの。英語なんだけど。それもタイトルがEnglish Projectとついているので、おそらくEnglishのクラスのアサイメントとして、1冊の本について徹底的にまとめるというのがあったんじゃないかたな。サイトは下記のようにわかりやすくまとまっていて、ネットで情報を集めることができた。

1)8名のプロジェクトの簡単な詳細
2)本のサマリー
3)参考文献、リンク集
4)ボキャブラリー (サイトの作成者がこの本から学んだことば)
5)サイトマップ

いやあ、すごいよね。
日本もがんばれ! 未だに日本は、公立の高校でコンピューターの数が足りないとか、使える教員がいないとか、環境整備に時間がかかるとか言っているけれど、そんなこと言っている場合ではない!!!!!オイ!


●若い子どもをエキスパートがサポートするようなシステムがすばらしい
インテルのサイトに日本語版のページがあった。うれしい。この本に登場する少年少女が
フェアに出たのは10年以上も前の話で、それが本になって、その時の実験を読んでもすごいと思うのだから、今2014年なんてもっとすごいことになっているんだろうね。
とりあえず日本語のサイトを見る限り、日本からもフェアに参加しようと頑張っている少年少女の姿がたくさん見られて感激。




こちらが本家サイト(英語)



2014年度フェアのハイライト動画



このフェアは毎年3月に開催されるのね。覚えておこう。いつか行ってみたい!

本家サイトの中にあるScience news for studentのコーナーがかなり面白い。ヘンな新聞よりよっぽどおもしろい。バイリンガルニュースのマミちゃんとマイケルが好きそうな感じ。

いい成績をとったからとか、宿題をちゃんとやったからのご褒美でお金を子どもにあげるのはよくないとずっと思っていたけれど、でもやっぱりリターンて大切。このフェアの賞金(このフェア以外にもアメリカにはすごいたくさんの賞金を目玉にしている学生向けのフェアある)について考えてみて思った。もちろん賞金だけでなく、大学への進学権利や奨学金なども大きいけれど、それらはすべてお金に結びつくプライズだよね。日本もこういった教育をもっと盛り上げるプロジェクトをたくさんやればいいのに。ロボコンすばらしいんだからさ、もっと大々的にやればいいのに。

●著者・ジュディ・ダットンについて
女性だった! すみません、今調べる直前まで完全に男性だと思い込んでいました。男性でもジュディという名前があってもおかしくないよね??そして彼女の著作は2作で、1作がこれ、もう1作はSecrets from the Sex Lab

おお、読んでみたいじゃないないの。


●ビブリオバトル
映画のことは結構熱心に調べるんだけど、本の感想を書くのにネットで調査したことがあまりなくて、今回少していねいに検索してみたらいくつかセレンディピティがあったのでメモ。

これかはかなり面白そうだ。注目!
いやあ、こんな面白そうなバトルがあったなんて全く知らなかった。検索してみてよかった。
いやね、書店さんて本を売るだけじゃなくて、サイドビジネス、サイドサービスもかなり頑張っているのよね。こんなイベントを企画したり、自分の書店で開催した著者のトークイベントの音声や動画を独自に配信したりして(ココとか、結構レアなのあるでしょ?)。
やっぱり面白いものってアングラからくるのよね。最近手抜きでメインストリームばっかりみていたから、久しぶりに時間をかけてアングラサーチするとわくわくするわ。




2014年11月9日日曜日

ジャージーボーイズ (2014)



●いいと言っている人たちの感想がかたよりすぎている

…というのはですね、いくつかのブログを読んところ、「84歳のイーストウッドが映画化した」とか「84歳、後何作映画を撮れるかわからない彼が選んだ映画」とか、なんか同じようなことばっかり言ってるわけ。誰かの受け売りなんじゃないのかなあ。町山さんのラジオとかかな。確信はないけれど、でもなんか個人個人の自由な感想であるべきなのに、大勢の人が同じようなこと言っているのはおかしいかな、と。
つまり、町山さんとかウタマルさんの影響で映画語りを楽しんでいる人が増えたのかなと思うけれど、オリジナリティーがなきゃダメ。

ちなみに私の中で、ジャージーボーイズは100点満点中58点です。

●あの年代を知らない若者世代が共感して絶賛するのはおかしい

映画って、誰が見ても「いい映画」「最高の映画」というのは存在しないと思うんだよね。映画監督が選んだBESTムービーとかあるけれど、それは映画監督の視点で選んだ映画であって、映画監督ではない人が見ても同じ感想になるとは限らない。
同じように、世代や性別、育ってきた環境などによって、映画の伝えたいことと個人の感情の重なりかたはみんなばらばらなんだと思うの。ある一定の人たち(この映画の場合は60年代をリアルに知っている人で、音楽が好きな人で、それでいて男性)はこの映画に共感できて「最高!」とか言えると思うけれど、1980年生まれ、日本育ち、女性の私にしてみればFour Seasonsってどんな人たちなのかもリアルタイムではよくわからないし、知っている曲はもちろんあるけれど、そんなに思い入れがある曲ではないのよ。だから、誰もが大絶賛しているのが不思議でしかたないです。


●フランキーの声のすばらしさが最初はわからなかった

それから、映画の前半「フランキーの声はすげえんだ」と言われるけれど、はじめて歌声を聞いたとき「え! ヘンな声じゃん!」って思ったよ。どこがすごいのよ!って。
まあ、私は友人から事前に「この映画は5億点だから!」と高すぎる評価を聞いてしまっていたので、勝手に期待値上がりすぎっていたというのもよくなかったんだよね。
つーか、5億点ってなに?って感じ()。 そうこの友人がまさに町山さんとウタマルさんのラジオラバーなわけ。

でも後半になるにつれて、フランキーの高い歌声が独特なもので、ソウル風の音楽が流行っていた時代では、貴重な存在だったんだな、って感じられるようになりました。で、気になって検索してみたら、ジョン・ロイド・ヤング(ジャージーボーイズのフランキー)Glee seasonに出ているではないか!
  

●ミュージカルがそのまま残りすぎている

もともとはミュージカルの作品を映画化したもの。でも、それにしてもミュー時間感が残りすぎではないか、というところがちょっと気になった。そこがいいという声ももちろんあるみたいだけれど、私としては2時間の映画として、映画の手法で収めてほしかったなという気持ちがあります。冒頭で語りが入るのだけれども、複数人の語りがあって、誰の視点で語られているのか混乱しちゃうの。ミュージカルだとそれは必須な方法だと思うけれど、映画では別の手法でできると思うのです。

イーストウッド監督のこの映画に対する意気込みをチェックするためにインタビューを検索…



調べてみたけれど、あまりいいインタビューはなかったかな。
でも、上のトークを見ていて、わかったことが2点。

1:着メロのことを英語でRing toneという。
2:イーストウッドのRing toneは『夕陽のガンマン』(The Good, the bad and ugly)だということ。


●悪人を描くストーリーはたくさんあるけれど、私は苦手

The Bling Ringもそうだったけれど、根本的に悪人をかっこいいものとして描いているのが、私はあまり好きではないのね。もちろんギャングだったりしたのは若い頃だったのかもしれないけれど、でも平気で盗品まわりにある生活とか、奥さんのことを放置していて娘が荒れてしまっているのとか、「許せん!」と思ってしまうのです。この映画はそういった本当のストーリーをキレイに描かずに、ありのまま表現しているから、人の一生というのは、創られた映画のようにはなかなかうまくいかないんだと、いうことがわかるね。


60年代の曲になじみすぎているのがまずかったか

YouTubeなんかをいろいろ検索していてふと思ったんだけど、ShellyとかBig Girls dont cryとか、普段は全然聞いていなくて、映画のなかで久しぶりに聞いたりすると、また映画の感動が大きくなるような気がする。私は、日ごろから60年代サウンドを聞いていて(大好きな60年代のベストCDがあるのです)、ぜんぜん懐かしいって感じの気分ではなかったの。そのせいで感動が薄れて、感想が辛口になっているのかもしれません。




あ、dirty dancingね。このサントラ今でも結構聞いてるからな。the four seasonsというよりこの映画の曲、っていうのが私にとっての印象。←私にとってどういうものなのか、それが大切だとおもうんだよね。


お、なんだかんだ結構書いてしまった。
今日はこれまで。おやすみ。