2014年7月15日火曜日

Phoenixのリストマニア


  
私はPhoenixの大ファンです。Phoenixを初めて意識したのは、おそらく彼らのことをよく知っている人たちからするととても遅い方だと思うのですが、PS22のこの動画(↓)を見たころです。つまりそれまでは、日ごろから追いかけているソフィア・コッポラの旦那のバンドであると知りながらも、「別に―」という感じでノータッチだったわけです。ところが、PS22の動画を見て心を打たれました。素晴らしすぎる。歌い上げている子どもたちの姿も、それをまとめ上げている先生も、音楽も、すべてが素敵で、未だにこの動画を見ると不思議と涙してしまいます。それからPhoenixのアルバムを買い、ますます彼らとソフィアが好きになりました。




LISZTOMANIA

しかし、私はこのLISZTOMANIAの意味を知りませんでした。そして調べることもせず、勝手にリストマニア=リストカットマニア=自殺する人々のやりきれない思いを歌い上げているものだと勘違いしておりました。私、すっごいオバカ。でもこういう勘違いかなりよくやってます。(昔N’Syncの曲でも自分でもうけるくらい面白い勘違いしてたナ)だって、なんか切ない雰囲気のメロディとリストカットが結びついてしまって、もうこれはそういう歌なんだと思い込んでしまったんだから仕方がない。
でも、その勝手な思い込みから約4年経った今、やっぱり心のどこかで腑に落ちていなかったのか、LISZTOMANIAの意味をあらためて調べてみたところ、全然意味がちがうじゃーん、とうことになりまして、驚いたのであります。

最初にwikiで引いてみると、こうなりました。



もちろん日本語のページはありません。

そしてよくよくPVを見てみると一目瞭然。フランツ・リストを完璧に意識している歌だったのであります。そしてわかったことがもうひとつ。英語ネイティブでもこのLisztomaniaの意味をよくわかっていないということです。もちろん日本人よりは近いニュアンスが理解できているだろうけれど、新しい感覚というのか、アメリカ人にはない感覚の言葉の使い方なのだろうなと思いました。




    ★アルバムのレビューより抜粋
The album bounds forth energetically with the ball of energy that is “Lisztomania.” With a bouncy backbeat and playful chords, the song tears a page out of a history book with a reference to renown musician and teacher, Franz Liszt. Through this clever comparison, Mars takes us through the thrill of playing a concert and being adored, (“think less but see it grow, like a riot, like a riot, oh!”) if only for a few minutes.
こちらのページの解説より引用)

※それにしてもこの解説の分析よくできてる。Phoenixが好きならこのアーティストもおすすめのコーナーで挙げられているの全部わたしのど真ん中!

で、Lisztomaniaがどういう意味なのかというと
ひとことで言うと「熱狂ファン」もしくは「リストフィーバー」ですね。フランツ・リストのピアノ演奏会には毎回猛烈なファンが押し掛け、歓声をあげ興奮しすぎて気絶するような女性たちが大勢いたようで、その熱狂ぶりは一時的な感情の表れとしてではなく一種の「病気」(病的興奮=ヒステリー)と考える人もいたそうな。Lisztomaniaという言葉そのものは、こういったリストに対する熱狂ぶりをドイツの詩人でありジャーナリストでもあるハイリンヒ・ハイネの1844年リストのコンサートについてのレビューの中で初めて登場したようです。

ハイネさんという有名な方がこのような言葉を作ったから、きっと現代にも残るインパクトのある言葉になったのかなって思います。また、当時は熱狂の対象がリスト限定だったけれど、現代の一部のセレブなどに異常に熱入れするファンのことを指すようなニュアンスもあるよう。つまりジャニオタとかジャスティン・ビーバーのファンとかも同じ系統なんではないかと推測するのだけれど、でもwikiによるとBeatlemania(ビートルズのファン)とは区別したほうがよいみたいなのだけど、このあたりの線引きの感覚は私には難しすぎるので、あまり深く考えないようにします。

Wikiより引用
The writer Heinrich Heine coined the term Lisztomania to describe the outpouring of emotion that accompanied Liszt and his performances. 

coinedという単語、「新しいモノ・コトを作り出す(創造する)」という意味があるんだね。この例文で覚えました。勉強になった!

※Urban Dictionaryの説明もよいです。


(参考リンク)



そしていつも思うんだけど、フランス人ってなんでこんなに英語がうまいんだ?
Tahiti80を聞いても思ったんだ、このギモン。
日本人のバンドではありえないよね。いやああ、すごいすごい。

  • Phoenixが英語で歌うことについての記事


 ★この歌詞をそれなりのニュアンスで日本語にいつかしてみたいナ↓↓

"Lisztomania"

So sentimental
Not sentimental no!
Romantic, not disgusting yet
Darling, I’m down and lonely
When with the fortunate only
I’ve been looking for something else

Do let, do let, do let, jugulate, do let, do
Let’s go slowly, discouraged,
Distant from other interests
On your favorite weekend ending
This love’s for gentlemen only
That’s with the fortunate only
No, I gotta be someone else
These days it comes, it comes, it comes, it comes, it comes and goes

[Chorus 2x:]
Lisztomania
Think less but see it grow
Like a riot, like a riot, oh!
Not easily offended
Not hard to let it go
From a mess to the masses

Follow, misguide, stand still
Disgust, discourage
On this precious weekend ending
This love’s for gentlemen only
Wealthiest gentlemen only
And now that you’re lonely
Do let, do let, do let, jugulate, do let, do

Let’s go slowly, discouraged,
We’ll burn the pictures instead
When it’s all over we can barely discuss
For one minute only
Not with the fortunate only
Thought it could have been something else
These days it comes, it comes, it comes, it comes, it comes and goes

[Chorus 2x]

Ooh, this is showtime, this is showtime, this is showtime [2x]
Time, time to show it off, time to show it off, it's time to show [2x]

From a mess to the masses!
Lisztomania
Think less but see it grow
Like a riot, like a riot, oh!

Disgust, disgust, disgust, disgust, disgust, disgust, discouraged.