Somewhereがとても気に入ってしまい、先週また見てしまった。
ちょうど担当している書籍が校了する寸前のタイミングで、毎日終電で、休みもなく2週間ぶっとおしで働いていたという過酷なときだったにもかかわらず、また見てしまった。
なぜか。
それは、映画のイントロのフェラーリがサーキットをグルグルとただ回っているだけのシーンがどうしても見たくなってしまったから。そしてソフィアの映画のテクニックというものを意識して見たいと思ったから。(もちろんエルたんも見たかった!)
映画が好きだという友だちとちょうど映画の話をしていたら、彼もこのイントロの部分がとても好きだと言っていた。ちなみに彼は自分で映画も撮る人。作り手から見てもいいなと思える部分があるというのはすごいよね。
友だちとの話題になったこともきっかけとなって、ひと月に2度もsomewhereを見てしまったのです。そしてソフィアの映画はどこかがすごいのか、彼女は何を目指しているのか、何を描きたいのかというクリエーターとしての真髄をさぐってみたくなって、ちょろりとネットで検索してみました。
彼女はあまり積極的にメディアにはでないし、積極的に自分や自分の作品をアピールしたりすることはしていないと思う。映画が発表されると、映画配給会社やファッション雑誌がこぞってそれをダシにして宣伝に使うので、ソフィアを目にすることは多いのだけれど、それはあくまでも制作側が都合よくしているだけのことであって、彼女自身がしたくてしているものではないのだと思います。
このことを強く感じたのはこちらのインタビュー。 これはsomewhere公開を記念してElleが独占的に撮ったもの。
あれれ?? この映画はソフィアが子どものころに体験した思い出をもとにつくったものじゃないの? インタビューによると、当時パリに住んでいて、ただLAがなつかしくなってその思いを映画にしたかったということになっている。その上で、自分の知り合いが体験してきているエピソードを使ったりした、と言っているけれど、自分の幼少期の思い出ではないのね。おおお、これはまた危ない。いい加減な映画雑誌やファッション誌で、私はいくつも「ソフィアの子どものころの体験を映画にした」というレッテルをいくつか見た。
また、「最近注目しているファッションは?」という質問に対して、「特にない。シンプルでカジュアルなものを身につけるようにしている」と回答している。あれ?? もっとファッションに敏感な人じゃなかったの? というのは、やはりファッション誌で彼女がおしゃれ番長として取り上げられていて、彼女がコラボレートしたファッションブランドなどもいくつもあるから、私が勝手に思い込んでいただけなのかもしれないけれど、それにしても温度差がありすぎるなーって思った。
つまり、本人の意思とはまったく別のところで、メディアが勝手にいろいろと大きくして、「売り込みやすいアイコン」像に仕立てあげちゃっているということなんだよね。
私は、「作り上げられた像」から学びたいことは何もない。やっぱり知りたいのは本人の素顔。そういう意味では、こういった本人がちゃんとしゃべっているインタビューはとても貴重。
私が感じた温度差についてボーイフレンドに話したら、彼女はもともと学校をドロップアウトしてその時に写真を始めたのがきっかけで、映像を作るようになったということ。本当だかウソだかこのあたりはまだわかりませんが、彼女が写真を撮るのが好きだということはわかる。
それにしても、自分がそんなに積極的にならなくても、必死にならなくても、大きくなるというのはやっぱり家族、特にお父さんの影響力は大きいよね。「運がいい」のでしょうね。もちろん実力もあるとは思うけれど、でも「運」も相当でっかいと思うよ。
だから、きっと「運」があまりないけれど、実力がある人って本当にたくさんいるんだと思う。そういう人をもっと露出してほしいし、取り上げて欲しい。私も積極的にいろいろ探してみようと思います。
と、言うことでソフィア熱が冷めたら次はネットでリサーチしたフォトグラファーを集めてみたいと思います。
※sofiaのオフィシャルサイトなのかな。
Liferoithsofia photographs