2014年11月9日日曜日

ジャージーボーイズ (2014)



●いいと言っている人たちの感想がかたよりすぎている

…というのはですね、いくつかのブログを読んところ、「84歳のイーストウッドが映画化した」とか「84歳、後何作映画を撮れるかわからない彼が選んだ映画」とか、なんか同じようなことばっかり言ってるわけ。誰かの受け売りなんじゃないのかなあ。町山さんのラジオとかかな。確信はないけれど、でもなんか個人個人の自由な感想であるべきなのに、大勢の人が同じようなこと言っているのはおかしいかな、と。
つまり、町山さんとかウタマルさんの影響で映画語りを楽しんでいる人が増えたのかなと思うけれど、オリジナリティーがなきゃダメ。

ちなみに私の中で、ジャージーボーイズは100点満点中58点です。

●あの年代を知らない若者世代が共感して絶賛するのはおかしい

映画って、誰が見ても「いい映画」「最高の映画」というのは存在しないと思うんだよね。映画監督が選んだBESTムービーとかあるけれど、それは映画監督の視点で選んだ映画であって、映画監督ではない人が見ても同じ感想になるとは限らない。
同じように、世代や性別、育ってきた環境などによって、映画の伝えたいことと個人の感情の重なりかたはみんなばらばらなんだと思うの。ある一定の人たち(この映画の場合は60年代をリアルに知っている人で、音楽が好きな人で、それでいて男性)はこの映画に共感できて「最高!」とか言えると思うけれど、1980年生まれ、日本育ち、女性の私にしてみればFour Seasonsってどんな人たちなのかもリアルタイムではよくわからないし、知っている曲はもちろんあるけれど、そんなに思い入れがある曲ではないのよ。だから、誰もが大絶賛しているのが不思議でしかたないです。


●フランキーの声のすばらしさが最初はわからなかった

それから、映画の前半「フランキーの声はすげえんだ」と言われるけれど、はじめて歌声を聞いたとき「え! ヘンな声じゃん!」って思ったよ。どこがすごいのよ!って。
まあ、私は友人から事前に「この映画は5億点だから!」と高すぎる評価を聞いてしまっていたので、勝手に期待値上がりすぎっていたというのもよくなかったんだよね。
つーか、5億点ってなに?って感じ()。 そうこの友人がまさに町山さんとウタマルさんのラジオラバーなわけ。

でも後半になるにつれて、フランキーの高い歌声が独特なもので、ソウル風の音楽が流行っていた時代では、貴重な存在だったんだな、って感じられるようになりました。で、気になって検索してみたら、ジョン・ロイド・ヤング(ジャージーボーイズのフランキー)Glee seasonに出ているではないか!
  

●ミュージカルがそのまま残りすぎている

もともとはミュージカルの作品を映画化したもの。でも、それにしてもミュー時間感が残りすぎではないか、というところがちょっと気になった。そこがいいという声ももちろんあるみたいだけれど、私としては2時間の映画として、映画の手法で収めてほしかったなという気持ちがあります。冒頭で語りが入るのだけれども、複数人の語りがあって、誰の視点で語られているのか混乱しちゃうの。ミュージカルだとそれは必須な方法だと思うけれど、映画では別の手法でできると思うのです。

イーストウッド監督のこの映画に対する意気込みをチェックするためにインタビューを検索…



調べてみたけれど、あまりいいインタビューはなかったかな。
でも、上のトークを見ていて、わかったことが2点。

1:着メロのことを英語でRing toneという。
2:イーストウッドのRing toneは『夕陽のガンマン』(The Good, the bad and ugly)だということ。


●悪人を描くストーリーはたくさんあるけれど、私は苦手

The Bling Ringもそうだったけれど、根本的に悪人をかっこいいものとして描いているのが、私はあまり好きではないのね。もちろんギャングだったりしたのは若い頃だったのかもしれないけれど、でも平気で盗品まわりにある生活とか、奥さんのことを放置していて娘が荒れてしまっているのとか、「許せん!」と思ってしまうのです。この映画はそういった本当のストーリーをキレイに描かずに、ありのまま表現しているから、人の一生というのは、創られた映画のようにはなかなかうまくいかないんだと、いうことがわかるね。


60年代の曲になじみすぎているのがまずかったか

YouTubeなんかをいろいろ検索していてふと思ったんだけど、ShellyとかBig Girls dont cryとか、普段は全然聞いていなくて、映画のなかで久しぶりに聞いたりすると、また映画の感動が大きくなるような気がする。私は、日ごろから60年代サウンドを聞いていて(大好きな60年代のベストCDがあるのです)、ぜんぜん懐かしいって感じの気分ではなかったの。そのせいで感動が薄れて、感想が辛口になっているのかもしれません。




あ、dirty dancingね。このサントラ今でも結構聞いてるからな。the four seasonsというよりこの映画の曲、っていうのが私にとっての印象。←私にとってどういうものなのか、それが大切だとおもうんだよね。


お、なんだかんだ結構書いてしまった。
今日はこれまで。おやすみ。